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大里研究所 林 幸泰氏の対談(第三部) 1

林 幸泰

ウィティア大学 理事
オハイオ州立大学 学長会メンバー
財団法人世界エイズ研究予防財団理事 兼 日本事務所代表

大里研究所について

大里研究所(Osato Research Institute、略称ORI)は、”Healthy Aging” -健康に年を重ねること-をテーマに高齢化社会における予防医学による医療費削減への貢献を目指し、アメリカやヨーロッパなど世界の様々な大学や研究機関と共同でFPPの研究を行っています。2005年には高齢化社会における医療費削減を目的に、スイスにて”(財)大里研究所”を設立しました。
ここでは、理事長をはじめとしたごあいさつ、FPPの研究者や施設概要などをご紹介します。
大里研究所理事長林 幸泰

大里研究所は、高齢化社会における医療費削減をテーマにFPP(Fermented Papaya Preparation) の研究を20年続けています。日本は、65歳以上の人口が26.7%と寿命が延びて素晴らしい国となりました。
反面、国家歳入の現金収入に匹敵する40兆円以上が毎年医療費に消え、年々増加しています。このままでは、明らかに国の財政破たんが目に見え、円高どころか、ある日突然円安になり、輸入に頼っている国民の毎日の生活は厳しくなります。
この問題を解決できる唯一の方法は、予防医学により医療費の削減をすることです。しかし、予防医学で使用される予防薬は厳しい環境下におかれています。薬とは、医師が病気の診断後に初めて処方されるものであり、予防薬は、病気の前段階で使用し、予防するわけですから、薬の条件から離れてしまいます。

大里研究所が考える、第一の予防薬は、教育です。
10代初めの若者たちに、食生活や日々の行動でいかに慢性疾患が防げ、一人一人の将来の経費削減になるか、その結果国の医療費削減にいかに貢献できるかを教育すべきです。
2008年ノーベル医学生理学賞受賞者で、HIV発見者のモンタニエ博士とともに、パリユネスコに世界エイズ研究予防財団を設立し、大里研究所内に日本事務所を開設、小中学校の生徒さんに対して、AIDS予防教育を1998年からおこなっています。AIDSは、典型的な教育や知識によって予防ができる感染症で、その経済効果は絶大です。予防によって、医療費を削減できた予算は、これからの日本を担う子供たちの教育予算として計上すべきです。
【参考資料Ⅰ:世界エイズ研究予防財団日本事務所 活動報告書 2008-2014】

教育の次の予防薬の可能性は、副作用のない安全な発酵食品です。
世界一の長寿を誇る日本には、数多くの発酵食品があり、この機能により平均寿命が世界に誇れるようになったと考えています。
FPPは、20年来の数々の臨床研究からその機能を確認してきました。生体内の抗酸化機能を高め慢性疾患の炎症を抑えるのみならず、マクロファージ活性が高まり、NOを産生し免疫向上機能があります。
近年、オハイオ州立大学にて、Ⅱ型糖尿病の患者さんに対して、FPPが糖質にもかかわらず、ATP cycle, Mitochondria respiration 向上作用が確認でき、結果Ⅱ型糖尿病患者さんの免疫を高めることにより、創傷治癒の効果が確認できました。また、FPPは主に単糖類で構成されている発酵食品ですので、脳に対してBBB(blood-brain barrier) の問題もなく吸収されます。過去の論文を見ていただきますと、FPPが予防薬の可能性があることを理解して頂けると思います。
【参考資料Ⅱ:大里研究所 研究論文紹介】

大里研究所は今、高齢化社会における医療費削減効果が最も高い認知症予防に着目しています。認知症は、本人のみならず、家族の負担が想像以上に大きい社会問題で、予防方法の発見が急務です。
発酵食品であるFPPが、認知症予防に効果があるかもしれないと思う根拠は次の通りです。
加齢とともに、末梢循環が低下し身体の糖代謝が悪くなり、単糖類をエネルギー源としている脳はその影響を受けます。FPPは、生体内でNOを産生することにより、末梢循環が改善され脳内の血流を良くし、典型的な糖代謝異常のⅡ型糖尿病患者さんに対しても、エネルギーサイクルを改善することにより、加齢による脳内エネルギー代謝の改善が期待できます。前段階治験では、アルツハイマー型認知症の患者さんに対して、脳内の酸化ストレスを低下することにより、病気の進行を遅くすることが確認出来ました。

日本生まれの発酵食品を道具として、世界が直面している認知症問題の解決を、この中部圏から発信することが、私たちの任務と考えております。

また、長生きをして何を生きがいにしたら良いのかが問題となります。リタイヤした有能なシニアの方の最も過酷な現実は、社会との接点が無くなってしまうことです。地方行政はこれらシニアの方々に対して、これまでの経験を発揮してもらえる場所を作る必要があると思います。

大里研究所がある、大野町は富有柿で全国的に有名な街です。研究所から5分のところにある3万坪の果樹園は、農家の平均年齢が70歳以上と高く、農業の継続はますます難しくなっています。しかし、富有柿は手入れが大切で、年を取り健康理由などで休耕地となった果樹園は、瞬く間に雑草が生え、富有柿の病気の原因となり、悪循環に陥ります。
大野町の要請で、この休耕地の有効利用を頼まれ、2012年より当初は300坪にブドウの植え付けをしました。品種はシャルドネ・ピノノワールで、高温多湿な大野町では、農薬や化学肥料を使わない”Bio” の農法は世界的に見ても不可能な場所ですが、これまで大里研究所は、敷地内にBritish Roseの栽培を20年近く無農薬で育ててきた経験をブドウに応用しています。先週ワイン醸造学で世界的に著名なUniversity of California Davis校Master卒業のワイン専門家を2名よび、現在行っている1,500坪のパイロットスタディーを確認してもらい、驚きのコメントをもらいました。「この高温多湿な日本で、シャルドネ・ピノノワールをBioでここまで栽培するとは考えられない。ぜひとも一緒に研究グループのメンバーとして参加させてもらいたい」と。
日本の農業の問題は、若者に対して「綺麗でなく・かっこよくない」のが第一のイメージです。このワインプロジェクトは、まずWinery Gardenとして維持をし、作業はイギリス風の緑のユニフォームを着用し、使用する農業用の自動車は全てLand Rover Defenderとします。また、働いてもらう人は、大野町のリタイヤしているシニアを優先的に採用し、自分の余暇を素敵なWinery Gardenに使ってもらいます。農業形態はクラブにし、各人の報酬は将来出来上がったワインボトルで提供します。
これにより、時間を持て余す人に、時間をかけブドウ一つ一つ手間をかけて面倒をみ、害虫は全て手作業でとります。
非常に手間をかける農業をめざしますが、シニアの方々に対して生きがいを見つけてもらえれば、健康維持ができ、医療費の削減にもなります。これが、このプロジェクトの最大な利益となります。
また、近い将来、地元小学校とタイアップし、一年かけて子供たちとブドウ栽培をし、秋には学校給食でブドウジュースを飲み、いかにコップ一杯のジュースを作るのが大変かを学んでもらいたいとも思っています。

大里研究所HPより

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